お産の日が近づいてきました
臨月に入ると、出産に向けてあなたの体にさまざまなことが起こります。
・位置が下がってくる……最後の数週間、あなたは赤ちゃんの位置がなんだか下がったことに気づくでしょう。これが二度目以降のお産の場合は、あまり下がらない人もいるでしょう。なぜなら、経産婦の骨盤はすでにゆるんでおり、ウオーミングアップの必要がないからです。
・ひんぱんなおしっこ……赤ちゃんが下がり、頭は膀胱の近くにあります。あなたはより頻繁にトイレに行くようになるでしょう。
・腰の痛み……赤ちゃんはより重くなり、位置が下がることによって、腰や、トイレに行くと伸びた靱帯によって骨盤に痛みを感じるかもしれません� �
・ニセ陣痛は強く……陣痛のウオーミングアップも、ますます激しくなります。本番ほど強くないにせよ、あなたに「これはもしかして……」と思わせるには十分な強さかもしれません。これは本番の1、2週前から見られるもので、姿勢を変えたり、歩いたりすると痛みは軽くなります。リラックスのテクニックを思い出してください。
・下痢……出産のためのホルモンは腸の活動を促し、腸をからっぽにして少しでも赤ちゃんの通り道を確保しようと働きます。同じように、吐き気を感じることもあるでしょう。
・おりものが増える……卵白のような、またうっすらとピンクのおりものが増えます。これは「おしるし」とは違います。
妊娠中の発熱急流
・おしるし……赤ちゃんが下がり、出産にむけて子宮頸管は薄くなり「ロック解除」の状態になってきます。ティースプーンに1杯くらいの出血は、出産のために準備が整ってきたしるしです。それが見られれば、だいたい3日以内にお産になります。それよりも出血が多い場合は、すぐ病院に連絡しなければいけません。
・破水……10人に1人くらいの確率で、出産の前に破水が起こってしまうことがあります(ほとんどの妊婦さんは、出産が進んでからの破水になります)。これは出産が始まったことを示しています。遅くとも数日中には、出産になるでしょう。
出産が始まっていなくても、あなたの体はすでに出産のために働き始めて� ��ます。ホルモンは変化します。プロゲストロンというホルモンは減り、エストロゲンやオキシトシン、プロスタグランジンというホルモンが増加します。これらのホルモンはあなたの骨盤の靱帯をゆるめ、腟をより伸びやすくし、子宮をよりやわらかく、薄くします。
この時期、あなたができることは、とにかく体を休め、出産に備えることです。この間に何かをしようと思ってはいけません。この先には、ハードな仕事がたくさん待っているのです。
出産の始まりを伝える
どこから出産が始まったのか、ということを正確に判断するのはむずかしいことです。陣痛のウオーミングアップは数週間、もしくは数カ月前から始まっていて、さまざまな体内のシステムが、出産に向けて準備をしてい� ��からです。
DRマガリーナイアガラの滝
本格的な陣痛が始まったサインとしては、痛みや張りが規則的なパターンになり、徐々に強く、長く、回数が増えてきます。痛みと痛みの間が短くなり、痛みはより下のほう、下腹部や腰周辺に感じるようになります。痛みは、座っても横になっても歩いても、軽減することはありません。
出産の始まりから終わりまでは、だいたい三段階に分けることができます。第一段階は初期、および潜在期、進行期、移行期。第二段階はクライマックス、分娩期。そして第三段階は胎盤娩出です。これらの段階は、はっきりと境があるわけではありませんし、それぞれがどの程度の強さで、どのくらい時間がかかるのかということは個人差がありますし� �同じ人でも、出産ごとに異なるものです。
第一段階──初期、移行期
第一段階は初期、または潜在期といわれ、中には、気がつかない人もいるくらいです。特に、痛くて動けないというほどの痛みではありません。あなたはいくつかの体のサイン(下痢、背中の痛み、生理痛のような腹部の痛み、おしるし、頻繁な尿意)などを感じるかもしれません。この第一段階の終わりまでに、子宮口は約3〜4cm開きます。まだ初期段階では、おなかの張りは5分から長いと30分くらいの間隔で、1回あたりの張りは30〜45秒続きます。
あなたはなんだかハイな気持ちになり、幸福感でいっぱいになったり、冗舌になったり、突然そわそわと忙しい気持ちになるかもしれません。まだ、1人になりたいとか静かにしていたい、という感情はわいてこないでしょう。なんだか興奮して、とても休んでなんかいられないわ、という気持ちになるかもしれませんが……。でも、休めるうちに休まなければいけません! これからまだまだ先は長く、本格的な陣痛が始まれば、どんどん体力は消耗してしまいます。今のうちにできるだけリラックスし、眠れるようならば少しでも睡眠をとっておきましょう。じっとしていられないのなら、軽い散歩を楽しみましょう。不安な気持ちになったら心の中にためないで、誰かに聞いても� ��いましょう。
陣痛がだいたい5分間隔で規則的にくるようになったら、第一段階の終わりが近づいてきた証拠です。静かなところで、あなたの心と体からのメッセージを受けとめ、病院に連絡するタイミングを判断しましょう。
移行期に入りました。骨盤は広がり、産道が開いてきつつあります。第二段階に入っていくのです。陣痛は約1〜3分おきで、張りは1分から1分30秒続きます。陣痛の間が短く、次々と襲ってくるような間隔で、あなたは休むこともむずかしくなってきます。赤ちゃんは回転しながら子宮から頸管部へ向かい、激しい痛みの波に、あなたは吐き気をもよおしたり、暑くて汗をだらだらと流したり、逆に寒気を感じたりするかもしれません。負けそうな気分になって弱音を吐いたりもしたく� �るでしょう。自然にうなり声がもれ、叫ぶかもしれません。でも、しなければいけない仕事があるのです。
しかし、「もう無理!」という気持ちになるということは、これがピークだということも示しています。さまざまなことが一番変化するこの時期が、一番あなたにとってはつらいのですから。
第二段階──分娩期
この時期は、第一段階に比べれば若干しのぎやすいでしょう。それに、最後には、赤ちゃんの誕生というすばらしい喜びが待っているのですから。
陣痛がピークに達し、いきみが始まる前に、多くのお母さんたちが「平和な時間」を体験します。10〜20分間の間だけ、ふとうつらうつらしてしまう、不思議な休憩時間です。これでエネルギーを補給して、さあ、出産です!
赤ちゃんの頭が見え始め、いきみ にあわせて赤ちゃんが通り抜けようとすると、まるで裂けてしまうのではないか、と感じるかもしれません。しかし、覚えていてください。あなたの体は、ちゃんと赤ちゃんが通り抜けられるように、設計されているのです。
数回のいきみで赤ちゃんが生まれる幸運なお母さんもいれば、1時間以上かかる人もいます。心が萎えれば、体も萎えてしまいます。心を落ち着けて、体の声を聴きましょう。赤ちゃんの頭が見えては隠れ(発露)、いきみをやめるように指示が出るでしょう。会陰が裂けないように、医師はゆっくりと赤ちゃんを支え、頭が出て、肩が出て、そして、赤ちゃんは誕生するのです! 赤ちゃんは鼻や口に詰まった羊水を吐き、吸引され、必要な処置をされ、第一声をあげるのです。
●この月の気持ちは?
●この月のからだは? おなかのあかちゃんは?
●妊娠9.10ヶ月で知っておきたいこと
●「あとどれくらい?」
>陣痛、そして出産です
●病院に連絡するタイミング
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